海外に暮らして最初に実感するのが言葉の壁です。
私が初めて言葉の壁にぶつかったのは、ホームステイをしていた時でした。
ホームステイのホストファミリーは、2人の小さな子供がいる若いカップルで、子供は3歳の女の子と5歳の男の子。
子供達は、私があまり英語を話せないことを気にせずしょっちゅう話しかけてきたので、英語を学ぶには最高でした。
ホームステイには朝食と夕食が付いていて、毎朝焦げたトーストがテーブルに用意されていました。
ホームステイの1日目の朝、コミュニケーション不足のせいで、そのトーストは私のために焼いてくれたのかと勘違いし、残してはホストマザーに悪いと思い、無理して全部食べてしまいました。
次の日の朝、前の日の2倍の数のトーストがお皿に置いてありました。
私が大食いだと思ったのでしょうね~(〃▽〃)
ホストマザーはまだ子供が小さいので専業主婦。食事は毎日作っていました。
彼女の作る料理はまあまあだったけど、夕食にホットドックとか、ハンバーガーがでてきた時にはちょっと驚きました。
その事を英語学校で知り合った日本人のクラスメイトに話すと、彼女のホームステイ先はシングルマザーで料理がまったくできないらしく、食事はほとんど缶詰。
そんな話を聞くと、私のホームステイはマシな方なんだと思うようになりました。
魚料理をまったく作らなかったのには驚きだったけど。
多分、お肉よりも海鮮の方が値段が高いせいもあるかもしれません。
白いご飯にサラダドレッシングをかけて「おいしい!」と言いながら食べていたのを見た時は、さすがにカルチャーの違いを感じました。
英語学校にいくと、「ホストファミリーが最悪」「食事がひどい」という話をたまに聞き、普通なら学校にクレームをつけるところだけど、英語の言葉の壁で留学生はなかなか文句が言えず、短期留学が多かったせいもあって面相なことを避けたいのか、みんな静かに国に帰っていました。
カナダで最初の大きな言葉の壁にぶつかったのは、ホームステイを始めてからまだ2週間ぐらいたった頃です。
小さな失敗を沢山しながら、英語での生活にちょっと慣れてきた頃。
私のホームステイの家は家族4人に、私も入れて学生が2人なのに、お風呂とトイレが1つだけ。
ある日の朝、学校に行く前にトイレを使おうとしたら、珍しくホストファザーが朝シャワーを浴びていました。
終わるまで我慢できたのですが、学校に行く時間も迫っていたせいもあり、ホストマザーに彼のシャワーがいつ終わるのかを聞くことにしました。
私のたどたどしい質問に彼女は早口の英語で言い返してきました。
彼女の言っていることが半分も理解できなかったので、適当に「Yes」で答えていたら、私がトイレをすぐに使いたいと勘違いし、バスルームのドアをバンバンと叩いて「You have to get out of the shower right away. Akko needs to use the bathroom.(Akkoがトイレを使いたいから今すぐ出てきて)」と、彼はまだシャワーの途中なのに無理やりバスルームから追い出してしまいました。
彼が腰にタオルを巻いて急いでドアから飛び出したのを見て、「しまった!!」と思ったけど…すでに手遅れ…
ホストファザーが私に対してすっごく怒っているのが身にしみて、その後しばらくは居心地が悪かったです。