カナダに来た最初の頃は、若かったせいもあって私はよくパーティーに行っていました。
パーティーと言っても、アパートに住んでいる友達の家に集まって飲み物は持参、食べ物もスナック等があればいい方という、とてもカジュアルなものでしたが。
その中でもう何年も前なのに、何故か印象に残っているパーティーが一つあります。
そのパーティーに私が行くきっかけになったのは、ホストが私の友達の知り合いで、私は彼に会ったことはなかったけれど彼の家でパーティーを開くというのを聞いて、私を含め彼の友達何人かを連れて行くことになりました。
場所はダウンタウンからちょっと離れたイーストエンド。
ホストはスタジオビルディングの1室を借りている若いカナダ人の男の人でした。
部屋はモダンなロフトでしたが建物自体が古いのと、彼は整頓好きではないらしく物がごちゃごちゃと置いてあり掃除もあまりしない感じだったので、見た目が綺麗とは言えない学生風の部屋でした。
私の友達がカレッジで音響関係を勉強してる時にそのホストと学校で知り合い、音楽関係の仕事をしているせいもあり、パーティーに来ている人達はアーチスト系な人が多かった気がします。
中に入り部屋の中を見回して驚いたことは、部屋がワイドオープンでまったく仕切りがなく、バスルームが部屋のどこからでも見えるのです。
その時私は初めてオープンバスルームの部屋を見ました。
そのトイレが丸見えの部屋作りには、何事にもあまり気にしないカナダ人もさすがに戸惑ったらしく、どうやってトイレに行くかという話で最初はパーティが始まりました。
パーティのホストは何処からか間仕切りになるようなパネルを持って来て「これを置けば見えないよ」とトイレの横に置いて平気な顔。
“周りに仕切りを置けばいいって問題ではないんだけどなあ”と言わんばかりに私達はお互いに顔を見合わせ、ただ苦笑いするだけでした。
トイレが使えないという事は水分が沢山あるお酒が飲めないということで、ビール好きな私達にとっては苦痛以外になく、人もまばらで詰まらなそうな雰囲気だったので、1時間ぐらいそこにいただけで、逃げるようにさっさと他のパーティに去って行きました。
部屋を出る時友達の1人が冗談で「次のパーティーもオープントイレだったらどうする?」
みんなで「No Way!!!(やめてくれ〜)」
彼の部屋の話は後々の笑い話になりました。