学校には日本人が沢山いるので、つい会話のしやすい日本人とつるんじゃうんですよね。
海外に1年もいながらほとんど英語が喋れないっていう人はゴロゴロいます。実は私もその1人でした。
英語学校で知り合った一人暮らしをしている日本人男性の部屋では、毎晩のように20人ぐらいの日本人が集まって呑んでいました。大半はホームステイなので、人を家に呼べないんですよね。だから彼の部屋は溜まり場にはもってこいの場所だったのです。
日本人の仲間でいつも集まって飲んでいるのを見て、“私ここで何しているんだろう。こんなんじゃ日本にいるのと変わりないじゃない”ということにふと気がついて、このままじゃ絶対に英語を話せるようになれないと思い、それからは日本人だけの集まりをなーんとなく避けるようにし、なるだけ日本語を使わない生活をしようと心がけました。
居心地がいい状態から抜け出すのって意外と大変です。目的がないとなかなか前には進めません。
英語学校は楽しく、友達も何人かできたけど、日本人ばかりで連なってしまうという欠点が私にはあったので、今後の英語の上達のために留学生対象にしている学校ではなく、カナダの移民の人達の為の英語学校に行くことにしました。
今は政府の予算が削減されて、無料のクラスは少なくなってしまったけど、私が来た当時はカナダ政府が行なっている無料の英語学校がたくさんあり、英語のクラスだけではなく、コンピューター、演劇、タイプの仕方とか、趣味を交えて英語を教えるてくれるクラスもありました。
英語のクラスは初級(beginner)、中級(intermediate)、上級(advanced)と別れていて、趣味のクラスも面白そうだったけど、英語の問題もあるし、 それに“レベルが高すぎて失敗したー!”とドツボにはまった状態にはなりたくなかったので、最初は初級を取りました。
でも初級なのにレベルが高い高い。
ぺらぺらと英語を喋る人もいて、クラスで一番になりたいが為に初級を取ったんじゃないの?と疑ったほど。最初は自分の英語のレベルの低さに落ち込みましたね。
公立の無料の英語学校は私立の英語学校とは雰囲気が全く違います。
私立は日本人、韓国人、台湾人がほとんどを占めていて、たまに南米の人達がいたりしたけど、 無料クラスは移民の人達を対象にしているので、中近東や東ヨーロッパ、アジア人は中国人、ベトナム人などが多かったです。フィリピン人とインド人は本国では英語を使っているので、英語を習う必要がないのか、あまり見ませんでした。
年齢もバラバラ。歳をいった人も沢山いました。
目的は人それぞれで、仕事を得るためや大学に行くためとかですね。
私も大学に行く為の英語コースを取っていました。エッセイ書きはヨーロッパから来た人達が強かったなあ。私はグラマーがメチャメチャダメでしたので。
この無料クラスもなかなか面白いものでしたよ。
日本ではあまり見かけない国から来た人達とお喋りしてその国の体験談を聞いたり、今まで食べたことがない不思議な味のお菓子を持ってきてみんなでシェアしたりと、私立の学校とはまた違った経験が得られました。
ただ問題なのはクラスが無料なので、みんな来たい時に来るって感覚で、その時仲良くなっても突然来なくなったりするから、友達作りが難しかったですね。
あと英語の先生がたまにネイティヴの英語の人ではないこと。
どの国の人でも構わないけど、発音が〜。でもタダなのでモンクは言えません。
頑張って上級までいき、ついでに趣味のクラスも取ることにしました。
取ったクラスはマックコンピューター。
母国でデザインをやっていたり、デザインやコンピューターに興味のある、25人ぐらいのクラスでした。
先生もカナダ人で、グラフィックデザイナーの仕事もしている人です。
クラスでは、私と同じくらいの年の元グラフィックデザイナーの女の人と仲良くしていました。最初に彼女を見た時は中南米から来た人かなと思ったら、レバノン出身で、旦那さまと小さな子供を連れてカナダに移住したばかりでした。
日本人好みのぽっちゃりとした可愛い顔をしていて、話し方もおっとりとして、とても話しやすいタイプの人だったけど、この彼女、外見とはウラハラに口からでてくるのはウソばかりなんですよね~。
国では自分はグラフィックデザイナーでマックを使っていたと言っていたわりには、マックがまったく使えなかったし、上手く操作が出来ないのをいつもコンピューターのせいにする。宿題も“終わらせたけど、間違ってファイルを消してしまったから提出が出来ない”だのと色々と理由をつけて、先生に言い逃れをしていました。
もちろん先生もクラスのみんなも彼女の性格が段々とわかってきたので、最後は彼女の言うことほとんど信用していませんでしたけどね。
最終テストは彼女は欠席。
それ以来彼女には会っていないけど、外見と中身がこうも違う人っているんだなぁとちょっとガッカリでした。